140万円を超える和解
2017.09.19更新
司法書士の先生方は、登記関係の手続き業務などを専門的に行っていますが、その他の業務として、①簡易裁判所における民事訴訟手続きの代理や②裁判外の和解について代理する業務(※ただし、目的の価額が140万円を超えないものに限る)を行うこともできます。
そのため、140万円を超える裁判外の和解については、弁護士が代理人として業務遂行しなければなりません。もし、司法書士が代理人として140万円を超える和解を締結した場合、その和解は有効といえるでしょうか。
7月24日、司法書士が関与できる債務整理の上限額(140万円)を超えた過払い金の和解契約の有効性が争われた訴訟の上告審判決において、最高裁は「公序良俗違反など特段の事情が無い限り、無効とはならない」と判示して、和解を無効と判断した二審判決を破棄したとのことです。
この判決によれば、司法書士は140万円を超える過払い金の和解について代理業務を本来行えないものの、締結した和解自体は有効ということになります。
弁護士又は弁護士法人でない者は、原則として報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件、その他の法律事務等の取り扱いを業とすることができません。これに違反すると2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されるおそれがあります(弁護士法72条、77条)。士業にも様々なものがありますが、目的の価額が140万円を超える紛争については、まず弁護士に相談されるのが良いのではないかと思います。
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