高齢者の交通事故
2019.06.06更新
暑い日が続いておりますが、皆様体調を崩されていないでしょうか。
私は、仕事で外出するとき以外、なるべく外に出ないようにして対策しております。
近頃、高齢者の交通事故が問題となっています。運転者がわざと起こしたわけではなくても、被害者の生命を奪ってしまう交通事故は何とかして防がなくてはなりません。
そのような交通事故を防ぐためには、高齢者から運転免許証を取り上げてしまう方法が考えられますが、運転免許証を取り上げることは憲法上許されるでしょうか。以下、私見を述べさせていただきます。
憲法上、国民には移動の自由が保障されています(憲法13条、22条参照)。そして、人は自由に移動した場所で様々な体験をすることで、人間的に大きく成長できるため、移動の自由はとても重要な権利といえます。
高齢者の中には、長距離の徒歩移動が困難であったり、公共交通機関のない場所に居住されている方も多くおられます。
高齢者の方から運転免許証を取り上げることは、高齢者の移動の自由を制約することになります。
他方で、憲法上の権利(移動の自由を含む)には、「公共の福祉による制約」が課されています。「公共の福祉による制約」とは、自己の権利は、他者の権利を侵害しない範囲で認められるに過ぎず、他者の権利を侵害するのであれば、その権利を制約することも許されるという意味です。
したがいまして、高齢者が運転をすることで他者の権利(生命・身体等)を侵害するのであれば、高齢者の運転を制約することも許されます。
例えば、道路標識の意味が理解できていない高齢者や反射神経が鈍り歩行者の飛び出しに反応できないような高齢者からは、免許証を取り上げてもよいのではないかと考えます。
問題はそのような運転能力の欠如をどうやって判定するかです。免許更新時にきちんと長時間かけて路上での実技検査を行う、免許の更新期間を1年に短縮するなどの対応策が必要だと思います。
殺人事件であっても交通死亡事故であっても、人の命を奪ってしまう点ではまったく同じです。逆走事故を行うような明らかな運転不適格者は運転できないよう、早期に対策すべきだと思います。
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