犯人隠避教唆
2018.10.17更新
先日、犯人隠避教唆の疑いで横浜市在住の弁護士が逮捕されたことがニュースになりました。
ニュースではあまり聞きなれない罪名だと思いますが、犯人隠避教唆とはどのような犯罪なのでしょうか。
犯人隠避教唆は、犯人隠避罪(刑法103条)の教唆(刑法61条)を行った場合に成立します。
犯人隠避罪(刑法103条)とは、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を隠避した者に成立する犯罪です。
「隠避」とは、隠れ場所を提供する以外の方法で、犯人・逃走者の発見または逮捕を妨げることです。隠れ場所を提供する方法で犯人・逃走者の発見または逮捕を妨げた場合、犯人蔵匿罪(刑法103条)が成立します。犯人蔵匿罪と犯人隠避罪の法定刑は同一であり、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
本件の場合、無免許運転に関わった事故車両の所有者を隠避した(犯人の発見を妨げた)ことが問題となっています。
教唆(刑法61条)とは、正犯を唆して犯罪を実行させた者(正犯に犯罪を行うように働きかけて実行させた者)に成立する犯罪です。
本件の場合、弁護士が無免許運転を行った者に対し、事故車両の所有者を隠避するよう唆したことが問題となっています。
なお、犯人隠匿や犯人隠避をするように犯人・逃走者自身が依頼をした場合、犯人・逃走者自身に犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の教唆が成立するか議論がありますが、判例は同教唆が成立する見解を取っています。
犯人が身内や親友であった場合、匿いたくなる気持ちも分からなくはないですが、きちんと処罰を受けることが本人の為になるのではないかと思います。
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