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ケーススタディ(刑事問題)

盗撮罪の新設

2023.08.25更新

久しぶりのブログになります。

今週の日曜日、久留米市で7月豪雨被害のボランティア活動させていただきます。精一杯土砂を運びたいと思います。

 

私は野球観戦が趣味なのですが、性交トラブルのためなのか、西武ライオンズの山川穂高選手が、一軍の試合にまったく出ていません。

 

近年、性犯罪の厳罰化が進んでいます。

 

昔でいいますと、飲酒運転が厳罰化されたのと、同じような流れであり、今後もどんどん刑罰が重くなっていき、処罰対象が拡張されると見込まれます。

 

そのような流れの中で、2023年7月13日、盗撮罪が施行されました。新設された「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条に盗撮罪が規定されています。

 

2023年7月13日以降の盗撮事件については、盗撮罪が適用されることとなり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

 

 

以上のとおり、盗撮罪は「新設」されました。

では、盗撮罪が新設される前は、どのように処罰されていたかご存知でしょうか?

 

 

日本の刑法には、盗撮行為それ自体を処罰する規定がありません。

 

ただ、各都道府県は、迷惑防止条例を設けており、その迷惑防止条例の中で、盗撮行為を処罰する規定を設けています。

 

例えば、福岡県の場合、福岡県迷惑防止条例の第6条で盗撮行為を禁止しており、それに違反した場合、第11条により6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

 

また、被害者の自宅で盗撮をした場合、無断で自宅に入ったことになりますので、住居侵入罪(刑法130条)でも処罰される可能性があります。

 

住居侵入罪の場合、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。

 

 

したがいまして、2023年7月12日までの盗撮行為は、福岡県迷惑防止条例違反で、6ヶ月以下の罰金または50万円以下の罰金でしたが、翌7月13日からは、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に重罰化しました。

単純に懲役期間と罰金額だけみると、6倍になっています。

 

 

時代によって、そもそも犯罪かどうか、重罪かどうかは移り変わります。

 

昔は許されたからといって、今でも許されるわけではありません。

 

時代に合った立ち振る舞いをすることが何事においても大事だと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎